思考の訓練

 このブログでは、「思考する」ということをいろいろ議論してきた。
 ところで、人はいつどうやって思考することを覚えるのか?
 生まれたばかりの赤ちゃんが思考できるわけではない。ということは、本能の助けがあるにせよ、なんらかの訓練によって思考できるようになるのだろう。その訓練とはなんなのか?
 猫だって生まれたときから狩ができるわけではない。では猫はどうやって狩ができるようになるのだろう?

 お正月に実家に帰省したとき、しゃべることを覚えたばかりの甥っ子が、いろんなものを指差しては、大人が返す単語をまねしてしゃべるのをうれしそうに延々と繰り返していた。言葉をしゃべる、聞く、まねしてしゃべる、これがただ単純に楽しいからやっている。
 猫の場合は動くものにじゃれるのが大好きだ。じゃれるのが嫌いな子猫はいないから、じゃれると快感を感じるということが本能に組み込まれているんだろう。本能のままに楽しいからじゃれる、を繰り返すうちに、狩の基礎訓練が出来ていく。
 人間の場合も同じように、言葉をしゃべる、聞くことに快感を感じるということがきっと本能に組み込まれているのに違いない。そして、言葉をしゃべる、聞くを繰り返すうちに、言葉で物事を定義して、理解し、考えて、伝えるという、人間固有の思考の基礎訓練ができていく。

 思考は、やはり「言葉」で訓練するものなのだ。

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