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パターンを洗い出すには

 要件定義では、通常、モレなく検討するためにパターンの洗い出しが必要になる。このパターンの洗い出しをちゃんと行うにはどうすればよいのだろうか。  よくあるパターンの洗い出しは、考えられるパターンをただ列記したものが多い。この方法では、すべてのパターンが洗い出されていてモレがないということを示すことができない。つまり、一生懸命考えた洗い出しも、思いつくものを適当にピックアップしただけの洗い出しも、列記されたものだけを見るとその区別がつかないのである。  では、列記されたものにモレがないということを、どう検証し、どう示せばよいのか?  列記されたものは、それだけでは単なる点データの集合体になっている。点のままではモレが無いということは示せないので、それらをMECEを使って面にする必要がある。  MECEを使って面にするには、まずそのデータを埋める表を作る。 表の縦軸、横軸は、ほとんどの場合最初から全部埋まることはない。しかし1軸は簡単に決められることが多い。そこでまず、1軸に分類を書き込み、空白の枠が2つだけの表をつくって、その表に列記されたものを仕分けしていく。表の分類はそれだけでモレがないということが明らかなものでなければならない。たとえば「社内」と「社外」、「新規」と「既存」、「利用前」と「利用中」と「利用後」というように。  仕分けが終わったら、仕分けたデータを眺めて、枠内にあるデータの共通点に着目して、もうひとつの分類軸を見つける。共通点を見つけるには、このようにデータを近くに集めると考えやすい。  余談になるが、ナンクロというパズルをご存知だろうか?ナンクロは同じ番号の白マスには同じ文字が入る、というルールだけをヒントにその番号の文字を決めていくパズルである。これを解くときによくやるのが、解決したい文字の部分を取り出して集めて試行錯誤しながらその文字を見つけるという方法である。たとえば「山○」、「○草」、「○外」をメモ用紙に書き出し、○に入る文字を探すと、「野」という文字が見つかる。同じことをそれぞれのマスがパズル面のあちこちに分散したままやろうとするとなかなか見つからない。  このように、共通点を見つける作業は、共通点を見つけたい対象を物理的に近くに集めると見つけやすいのである。  共通点を見つけてそれを分類軸にし、その分類軸