対談:なぜ新たなブログを立ち上げたのか? その2

koppe:
私たちは、ここ数年、CRM領域、たとえば営業支援システムやコンタクトセンター、カスタマポータルなどのSIをやってきたわけですが、最近、この領域での失敗プロジェクトが激増しているような気がしませんか?
mokuren:
しますね。
koppe:
これらのシステムは今や目新しいものではありません。目新しいときならいざ知らず、目新しくなくなるまでの間にノウハウが蓄積され、生産性が上がり、失敗プロジェクトは減っていくはずなのに、なぜ増えているんでしょう?
mokuren:
そこなんですね。
そこに話の焦点を絞ると、つぎのようなことが言えると思います。
このCRM領域なんですが、当初は、だれもITとしてどのようなものにすればよいかわかっていなかった。それで、取り合えずこの予算の範囲で作ってみようかぐらいの感覚で、まずは典型的なシステムの導入にトライしてみたというのが実体ではなかったのでしょうか?
koppe:
まだCRMという言葉が目新しかった時代は、企業ごとの固有性を出そうといった要望は少なかったし、要求される機能も少なかったということですね。
mokuren:
しかし現在は、それらの初期CRMシステムがリプレース時期に来ているんですね。ところが、そのCRMという概念がITの枠を飛び越え、顧客視点の差別化戦略にまで結びつき始めたため、あの例外サービスもこの例外サービスもとなって収拾つかなくなってきているのではないのでしょうか?そのためITシステムも複雑度が一気に増してきた。そんな構図のような気がします。
koppe:
CRMは本来、企業の差別化の源泉ですから、企業ごとにみんな違う。その多様性がIT化を難しくしているでしょうか。
mokuren:
差別化にもいろいろあって、従来は製品での差別化が中心だったと思うのですが、現在は、製品での差別が難しくなってきたため、それに付随するサービスの差別化にスポットがあたってきていますね。
その観点でいうと、サービスでの差別化を実現する手段の一つとしてのCRMシステムが多様化するのは当然のことと思われます。
koppe:
つまり、初期のCRMは既製服、現在のCRMはオーダーメイドが求められているということなんでしょうか?
mokuren:
そうですね。

コメント

このブログの人気の投稿

ヌケとモレの違いは?

類推の4つの判断パターン

パターンを洗い出すには