わからないことを聞かない人たち その2

 こういう人たちに、自分が分かっていないことに気づいてもらうには、どうしたらいいのでしょう?

 Aさんの場合、実際にピースを組み立てないと分からないんだということを知らないため、とにかくつべこべ言わずにこの部分のピースを組み立ててみろ、と組み立てさせて、組み立てる前と組み立てた後の違いを実感させるしかありません。

 Bさんの場合は、自分が組み立てたピースのほかに組み入れるべきピースがあることを具体的に示して、今組みあがっているように見えるもののどこにそのピースが入るかを考えさせる。

 Cさんの場合は、自分で作り出してしまったピースの部分について、どういう事実からそれがそういうピースだといえるのかを矛盾がでるまで質問して、それが自分が思い込みで作ったピースだということに気づいてもらう。

 いずれにしても、とても手間がかかります。手間がかかるということは、知的生産性が低いということです。知的生産性をあげるには、自分で気づけるようになってもらうことが必要です。

 では、どうすればこの人たちは自分で気づくようになることができるのでしょう?

 彼らに共通するのは、他の人から、自分が見えたと思っているものに対して矛盾を指摘されると、自分が見えたと思っているものがいかに正当かを必死で説明しようとします。なぜ、指摘した人がそういっているのかを決して探り出そうとはしません。

 実はここが一番の問題だと思うのです。
 自分が完成したと思っているものの矛盾を自分で見つけることは至難の業です。見たいものが見えてしまっている状態ですから、何度見直しても見たいものしか見えない。だからこそ、他の人から見えるものと自分が見えているもの差分でしか、自分が見るべきものではなく見たいものを見ている可能性に気づくことはできません。
 自分は常に、見るべきものではなく見たいものを見てしまう可能性があるのだという前提にたって、他の人の発言や反応からその個所がどこかを探り出す。そういう意識で他の人とコミュニケーションすることが必要なのだと思います。

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