未知の領域にチャレンジする人、しない人

 仕事の上で関係する周りの人を観察していると、未知の領域に「チャレンジする人」と「チャレンジしない人」に大別できるような気がします。
 「チャレンジする人」と「チャレンジしない人」の違いはどこから来るのでしょう?

 未知の領域は、その人にとって経験したことのない世界、一歩先に何が待ち受けているか分からない真っ暗闇の世界ですから、人間であれば誰しもそこに足を踏み出すのは怖いはずです。
 では「チャレンジする人」は真っ暗闇の中に闇雲に足を踏み入れる、無謀な勇気の持ち主なのでしょうか?
 いえ、少なくとも、ビジネスの世界においてチャレンジする人たちは、なんらかの確信や根拠をもって未知の領域に足を踏み出しているように思えます。その確信や根拠は一体どこから来るのでしょう?

 その鍵は「抽象化する能力」なのではないかと思います。
 「2006年08月13日 抽象化の使い道」の記事でつかった例を元に考えて見ます。
 ある人が「ある自治体の宅建業免許の問い合わせ対応業務」をシステム化する案件を経験したとします。抽象化をしなければ、「自治体の宅建業免許の問い合わせ対応業務」は「既知の領域」ですがそれ以外は経験したことのない「未知の領域」です。
 しかし、記事で述べたように、「自治体の宅建業免許の問い合わせ対応業務」を抽象化をすると、「個人事業主やそれに準ずる中小企業に対する顧客対応業務」は業種に関わらずすべて「既知の領域」になります。細かいところまで含めると厳密には「既知の領域」とはいえないかもしれませんが、すくなくとも自らの経験を生かせる「既知の領域の延長線上の領域」にすることができる。

 つまり、一見すると「未知の領域」を、「抽象化する能力」によって、「既知の領域の延長線上の領域」に変えられる人、その結果、経験に基づく確信や根拠を持って「周りからは未知に見える領域」に踏み出せる人、これが「未知の領域にチャレンジする人」なのではないかと思います。

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