第1公理は2対言葉

 MECE的分解でよく使われる4対言葉による分解も、今まであげてきた例でおわかりいただけたと思いますが、単純にそれに当てはめて分解するだけではどうも心もとない感じがします。4対言葉自体の分解方法に怪しさがあるからです。
 So why、So Whatで分解結果の確かさらしさを検証することはできても、そもそもどのように分解してよいのか分からない。そこで、既知の4対言葉などで分解してみる。でもそれは所詮人の考えの借り物、自分自身の考えで分解したわけではない。
 この感覚がMECE的分解に怪しさを感じる一番大きな理由なのではないのでしょうか?

 そこで、以前、言いかけてやめてしまった2対言葉での分解をもう一度ここで持ち出してみましょう。この2対言葉による分解は、分解におけるもっとも基本的な公理となるものです。
 「前後」、「上下」、「内外」・・・・など、人間が自身の外界の状況を区別して理解するためのもっとも基本となる言葉の蓄積です。歴史が言葉の蓄積を通じて証明してくれています。数学ほど厳密に定義はできませんが、これを分解の第一公理と呼ぶことにします。


 まず、「それとそれ以外」で分解します。これは、比較的簡単にできると思います。とりあえずある物事の部分として思いついたものを「それ」として言葉にすればよいのですから。それから、「それ以外」を具体的に言葉にします。このとき、言葉にした「それ」と「それ以外」が2対言葉の関係に該当するか検証します。
 もし、2対言葉の概念にきっちり「それ」と「それ以外」が納まっているのであればこれで終わりです。さらに詳細化したければ、今あげた「それ」と「それ以外」をある物事として、同様に分解をしていけばよいのです。

 問題は「それ」と「それ以外」が2対言葉の関係に納まらなかった場合です。この場合は、「それ以外」をさらに「それ」とそれ以外に分解します。分解の手法は同様です。「それ」をまずあげます。すると当然、「それ以外」が起こります。ただし、この手法であげた3つの分解要素は重複しないことが条件となります。

 と書きましたが、ここで問題となるのが「重複」です。そもそも、MECEの目的は「モレなし、ダブリなし」なのではなかったのでしょか? 簡単に重複が分かるのであれば、わざわざMECEなどという思考法を構築する必要はありませんね。

 次回はこの点を掘り下げてみたいと思います。 

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