関係と属性

 2006年05月14日の記事でもう一つ気がついたことがあるので、もう少し続けます。
 その記事で分解した処理の中に、
「FAX出力形式のデータを送信待ちボックスに入れる」
「送信が成功したら(FAX出力形式のデータを)送信済みボックスに入れる」
「送信が失敗したら(FAX出力形式のデータを)エラーボックスに入れる」
という記述があります。この記述の中にある、「FAX出力形式のデータ」と「送信待ちボックス」「送信済みボックス」「エラーボックス」との関係はどうなっているのでしょうか?

 プログラム的にいうと、それぞれのボックスに入っている「FAX出力形式のデータ」は、まったく同じデータです。しかし、「送信待ちボックス」に入っている「FAX出力形式のデータ」は、ただの「FAX出力形式のデータ」ではなく「送信待ちFAX出力形式のデータ」であり、「送信済みボックス」に入っている「FAX出力形式のデータ」は、「送信済みFAX出力形式のデータ」です。「FAX出力形式のデータ」だけをみても「送信待ちFAX出力形式のデータ」かどうかはわかりませんが、「送信待ちボックス」と「FAX出力形式のデータ」とがあって、その間に関係があることがわかって初めて「送信待ちFAX出力形式のデータ」であることが分かるのです。
 このように、「FAX出力形式のデータ」に付加された「送信待ち」という表現は、「何かとの関係において対象に付加される属性」といえるのではないでしょうか。
 
 さらに別の例で考えて見ましょう。ここに2つのたまねぎと2本のにんじんがあるとします。この状態でこれらを分類しようとすると、たまねぎ同士、にんじん同士の分類しか思いつきません。ここで、たまねぎの1つとにんじんの1つでカレーを作ろう、残ったたまねぎとにんじんでサラダを作ろうと思ったとします。すると、先ほどまでただのたまねぎとにんじんだったものが、「カレー用のたまねぎ」「サラダ用のたまねぎ」「カレー用のにんじん」「サラダ用のにんじん」にかわります。
 つまり、それを使って作る料理と結びつけたとたんに、それぞれに「カレー用」「サラダ用」という属性が付加され、新たに「カレー用の食材」「サラダ用の食材」という分類ができるようになったのです。

 私が普段やっているMECE的分解では、この「何かとの関係において対象に付加される属性」を手がかりにして分解することが多いような気がしますが、mokurenさんはどう思いますか?

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