関係とカテゴリ

 まず、koppeさんが挙げた「関係」というものを、ここでもう一度整理します。
  ①親子関係
  ②友達関係
  ③類似関係
の三つですね。
 基本的に、カテゴリが③類似関係にあてはまることは容易に理解できると思います。逆に、①親子関係や②友達関係は、カテゴリとあまり関係が無さそうに見えますね。③類似関係については、前回書いたように古典カテゴリ観やプロトタイプカテゴリ観で説明できます。しかし、①親子関係や②友達関係は、その考え方ではカテゴリという概念に直接当てはめることができませんね。
 そこで登場するのがスキーマカテゴリ観です。まずスキーマを辞書(goo辞書:三省堂提供「大辞林 第二版」)で確認してみましょう。

 スキーマ【schema】
 (1)データベースで,論理構造や物理構造を定めた仕様。
 (2)新しい経験をする際に,過去の経験に基づいて作られた心理的な枠組みや認知的な構えの総称。

 ここではコンピュータの話をしているわけではないので、まず(1)を外します。そして、分かりやすくするために、(2)の「過去の経験に基づいて作られた心理的な枠組みや認知的な構えの総称」を「過去の経験に基づく何らかの規則」と読み替えます。
 するとどうでしょう、①親子関係や②友達関係はこの規則の名称になってくるのです。
 したがって、親子関係というカテゴリがあり、その成員の一つとして「徳川家康と徳川秀忠」が存在します。また、友達関係というカテゴリあり、その成員の一つとして「花子さんと太郎さん」が存在することになります。
(続きは次回へ)

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