2分割の2分割

 ところで、この「企業=人・物・金・情報」なのですが、MECE的に分解されているとするとレベルがあっていることになりますよね。MECEの例などでよく引き合いに出されているマーケティングの4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)なども同じような感じですが、すでに歴史をもったこのようなMECE的分解のフレームワークは疑いもなく同一レベル観で分解されていると思えてしまいますよね。
 しかし、それは本当にそうなのでしょうか? ある物事を新たにMECE的分解しようとしたとき、きれいに4分割できたことなんて本当にありますか? 少なくとも、私はすんなり4分割などできたことがありません。2分割はできます。3分割、ここですでにおかしくなります。3分割のうちの2つは「それとそれ以外」や「対概念(前後など)」の言葉で表される概念で分解できるのですが、3つ目はどうしても最初の2分割とは異なった軸での分解になってしまいます。まして4分割にもなれば不可能に近い領域にとびこんでしまったような感じさえしてしまいます。
 「企業=人・物・金・情報」について結論から言うと、これは同一レベル観で分解されていないと思っています。企業という器に対する流入・流出の軸で分解されていることは分かりましたが、4つに分解される前に実は2つにまず分解されるべきだと思います。それは、物理的に存在するものと存在しないもの区別です。
人・物は実体があります。しかし、金・情報に実体はありません。人間にとっての概念であり記号です。
 したがって、この2分割があり、それをさらにそれぞれ2分割してできたものがこの4分割であると考えたほうがよさそうです。

企業
 実体あり
  人
  物
 実体なし
  金
  情報

という2分割の2分割になっているのですね。いきなり4分割など無理だというあなた(私もそうですが)、このように4分割というのは2分割の2分割からできていると考えるとなんだか安心できませんか?

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